
子供の頃、ゲームの攻略本を読むのはゲームをプレイするのと同じくらい好きだった。
当時は、新しいゲームを買ってもらえる機会は年に1、2回あるかないかの貴重なイベントだった。数あるソフトの中、遊びたいものを選ぶのは非常に重大な決断だった。それだけに、よくやく手に入れたゲームに対する思い入れは強かった。
しかし、思い入れの強さに反して実際にプレイすると、あまりゲームの腕前が高くないのもあって、少し難易度が上がると途端に進められず、「この先、もっと難しくなったらどうしよう」という根拠のない恐怖心から、なかなか攻略が進まないことがあった。
だからこそ、当時の自分にとってゲームと攻略本はセットだった。とはいえ、攻略本を買ったからといって最後までクリアできたかは別で、攻略本を隅々まで読んで楽しんでそのままゲーム遊ばなかったことがままある。
実際にプレイしなくても、攻略本のページをめくってまだ見ぬ先の展開を知るのは、「後半にはこんなステージがあるのか」と最高にワクワクする体験だった。
時には、欲しいゲームが買えず仕方なく攻略本だけ買ったこともあったが、それでもページをめくりつつ実際に頭の中で想像して楽しんだこともあった。攻略本によっては設定とか小ネタ等も載っているので、ゲームに実際に活かせなくても楽しむことができた。
個人的に思い入れが深いのは、ポケモンシリーズやどうぶつの森シリーズの攻略本である。
ポケモンの場合、辞書の様にぶ厚い一冊を開くと各ポケモンの性能が事細かく載っていたり、わざや性格、道具についての細かい情報が載っている他、各ポケモンの短評なんかも載っているので単なる攻略本としてもデータベースとしても面白かった。
どうぶつの森の場合、季節ごとのイベントや魚や虫、家具や服などのアイテム、細かいテクニックまで様々なことが載っていたので攻略本は必需品だった。
今はネットもスマホも完全に普及し、ゲームで壁にぶつかればいつでもいつでも一瞬で攻略サイトや解説動画にアクセスできるようになった。効率よくクリアするのに簡単に方法が手に入る時代だ。そのため攻略本に頼ることもなくなり、子供の頃読んでいた攻略本も、部屋の整理の際にほとんど捨ててしまった。
だけどあの頃、夢中になってめくっていた分厚い攻略本には、ただゲームを効率よくクリアするだけでは得られない、無限の想像力と豊かで贅沢な体験が詰まっていたのだと、今でも時折懐かしく思い出す。


コメント